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賃貸トラブル弁護士

賃料の回収

賃料回収の強制執行

差押えるべき財産の検討(給与)

ここでは、滞納賃料の支払いを認める判決が出た場合に、借主のどういった財産を差し押さえることができるかについて、説明します。

強制執行により差押えできる財産には様々なものがありますが、代表的なものとしては、金融機関の預貯金口座、勤務先から支払われる給与、所有している不動産や動産が挙げられます。

差し押さえる財産の種類によって、回収できる可能性や、回収に要する時間に違いがあります。

ここでは、勤務先の給与を例にとって考えます。
給与を差し押さえることのメリットとしては、借主が労働者として勤務しており、かつ、勤務先の会社がわかっていれば、差押えが成功する可能性が高い点が挙げられます。また、将来発生する給与についても差し押さえることができますから、1回の申立てで、安定して滞納賃料を回収できる可能性があることもメリットです。

一方、給与の差押えのデメリットとしては、給与を差押えることができたとしても、差押え可能な金額には制限があることが、まず挙げられます。借主の給与の手取り額が44万円以下の場合、原則として、その4分の1までしか差し押さえることができないため、全ての賃料の滞納が解消されるまでには、長い時間を要することになります。
また、他のデメリットとして、借主の勤務先が変更になり、かつ、変更先の勤務場所がわからなくなった場合には、回収ができなくなってしまう点が考えられます。

の30万円を引き出すことができてしまいます(なお、金融機関自体が債権者である場合は、口座が凍結されてしまうため、口座への入出金自体ができなくなります。)。

したがって、同一の口座からさらに回収を図るには、再度、その口座を差し押さえる必要がありますが、一旦差押えを受けた口座については、入金があればすぐに引き出してしまうでしょうから、2回目以降の差押えが効を奏することは少ないと思われます。

差押えるべき財産の検討(預貯金)

ここでは、借主の預貯金の差押えのメリット及びデメリットを説明します。

預貯金を差し押さえることのメリットとしては、預貯金口座に十分な残高があれば、1度にまとめて滞納賃料を回収できる点が挙げられます。

一方、デメリットとしては、金融機関の支店名まで特定しないと、差押えができない点が挙げられます。
したがって、貸主の側にこれらの情報がない場合には、預貯金の差押えを申立てることができず、このことが問題視されてきました。
これを受け、近時、大手銀行の一部は、確定した判決や和解調書がある場合で弁護士からの照会があったときは、債務者の預金口座の有無、預金口座があるならば、本支店名、口座科目、科目毎の預金残高を回答する運用を開始しました。
この運用開始により、預金口座の差押えが容易化することが予想されます。
なお、上記取扱いは、あくまで弁護士からの照会があった場合に限られますので、注意が必要です。

また、もう一つのデメリットとしては、差押えの効力は、裁判所の債権差押命令(銀行が賃借人に対して、預金の払い戻しを禁止する書面です。)が銀行に対して届いた時点における口座残高にのみ及ぶ、という点です。
例えば、100万円の滞納賃料について預金口座の差押えを申し立て、債権差押命令が銀行に送達された時点で、口座残高が50万円だったとします。
これにより、賃料を滞納している賃借人は、その50万円を口座から引き出すことができなくなります。
しかし、差押命令送達後に、新たに口座に30万円の入金があった場合には、賃借人はその30万円を引き出すことができてしまいます(なお、金融機関自体が債権者である場合は、口座が凍結されてしまうため、口座への入出金自体ができなくなります。)。
したがって、同一の口座からさらに回収を図るには、再度、その口座を差し押さえる必要がありますが、一旦差押えを受けた口座については、入金があればすぐに引き出してしまうでしょうから、2回目以降の差押えが効を奏することは少ないと思われます。